プラスチックは利便性に優れる一方、海へ流出してしまうと自然分解が難しく、水産資源や海洋生態系に悪影響を及ぼします。この海洋プラスチックごみへの対策は世界の課題であり、国連の持続可能な開発目標(SDGs)においても、海洋プラスチックごみの防止・削減が掲げられています。

水産業を基幹産業とする気仙沼では、昔から自然環境を守る精神が根付いており、海洋プラスチックごみ問題にもいち早く対応してきました。海洋・陸上でのプラスチックごみの削減や回収・再資源化の徹底、漁具類の海洋流出の防止、さらには使い捨てプラスチックの使用を減らすライフスタイルの変革など、問題解決に向けた「アクションプラン」を官民学の連携によって実践しています。海と生きるまちとして責任を果たすべく、海洋プラスチックごみゼロを牽引する先進地へ。「自然との共生と持続可能性」を体現し、日本・世界の未来につなげます。

気仙沼市では2019年9月、プラスチックごみの削減や海洋流出抑制に向けた「アクションプラン」を宣言。プラスチックごみの「3R」を一層推進し、資源循環を徹底することに加え、プラスチック製品を利用する人の意識改革や消費者のライフスタイルを「変えていく」ことを目指し、『3R+Change』を理念に啓発活動を推進しています。

環境省「漁業系廃棄物処理ガイドライン」の周知徹底をはじめ、使用済み漁具等のプラスチックごみが海洋へ流出しないように、漁業者と連携して適正な回収・管理に努めています。また漁港などに「海ごみ回収ステーション」を設置することで、漁港に漂着したごみや海上に浮遊するごみの回収を促進。さらに国指定天然記念物「十八鳴浜(くぐなりはま)」「九九鳴き浜(くくなきはま)」をはじめとする海岸や海水浴場においては、地域住民やボランティア団体が中心となって清掃活動に取り組んでいます。

レジ袋の削減に向けたマイバッグ運動を推進するため、「ホヤぼーやエコバッグプロジェクト」を実施。市民がつないだアイディアをもとに、市内のデザイナーがオリジナルエコバックをデザインし、「62,000人総選挙」と題した市民投票により商品化デザインを決定しました。エコバックは、市内の観光施設などで販売しています。

また、使い捨てプラスチックの削減を目指し、小売店や関係団体等との連携も強化。家庭系リサイクルごみにおいては、分別回収や再資源化を徹底するほか、小売店と協力しながらプラスチックごみの店頭回収を推進しています。

さらに、毎年6月第1日曜を「全市一斉清掃の日」と定め、自治会ごとに清掃を実施。市民の間でも環境美化の意識が高まり、日頃から個人・団体によるボランティア清掃が行われています。

「マイバック運動」の推進に加え、脱ペットボトルに向けたマイボトル利用の呼びかけなど、使い捨てプラスチック容器・包装を減らすライフスタイルへの変革を促しています。また持続可能な社会の担い手を育むために、官民学が連携しながらESD・環境教育を推進。海洋プラスチックごみに関する学習や情報提供のほか、清掃活動や漂着ごみの調査などを通じて、市民全体での理解や取り組みに発展させています。