Slow City Kesennuma
料理そのものだけでなく、自然から人の口に運ばれるまでの過程に思いを巡らす。
生活の中で育まれてきた食を次世代に伝え、個性的で魅力あるまちであり続ける。
そんな姿を目指してさまざまな取り組みを行ってきた気仙沼は、
地域の自然環境や伝統文化を守り育むスローなまちとして世界からも高く評価されています。
持続可能な未来を見つめる気仙沼の人や文化、生業を紹介します。
スローフード気仙沼 理事長
菅原 昭彦さん
Slow City
Kesennumaへの歩み
食を通じた「つながり直し」で、
心豊かに暮らせるスローシティへ
気仙沼が世界からスローシティとして認められた背景には、地域の「食」を核にしたまちづくりに奮闘する市民の努力がありました。その活動の中心となったのが、市民団体「スローフード気仙沼」。この団体の理事長を務め、市内の伝統ある造り酒屋「男山本店」の代表取締役社長でもある菅原昭彦さんに、まちづくりの原点とこれまでの取り組みについて伺いました。気仙沼の人々が描くスローシティとはどんなまちなのか。地域の未来に迫ります。
NPO法人 森は海の恋人 理事長
畠山 重篤さん
NPO法人 森は海の恋人 副理事長
畠山 信さん
人の心を育てる
「森は海の恋人」運動
森・里・川・海は、一つのもの。
流域全体を見つめ、
自然とのつながりを大切に
カキやホタテなどの養殖が盛んな気仙沼。地元の漁師たちは、海産物が育つ自然環境を守るために、海にそそぐ川の水源の山に木を植える活動を始めました。その活動を牽引するのが、NPO法人「森は海の恋人」の理事長・畠山重篤さんと息子の信さん。時代に先駆けて森・里・川・海のつながりに着目し、自然保護や環境教育の活動を行うお二人の話から、未来にも通じる自然との向き合い方が見えてきました。
農家
齋藤 憲介さん
酪農家
小野寺 佑友さん
地域と食を支える
若手生産者
若手生産者の地域への想いが
気仙沼の食と農をより豊かに
肥沃な大地が広がる気仙沼では、農産物や乳製品の生産が盛んです。代々続く技術や知恵を受け継ぎながら、新しい可能性を切り開く若手生産者もいます。その一人が、気仙沼の気候では難しいショウガ栽培を成功させた農家・齋藤憲介さん。もう一人が、放牧飼育や自給飼料の生産拡大に挑む酪農家・小野寺佑友さんです。食を通じて気仙沼を支え、地域の未来を切り開く生産者たちのチャレンジをお伝えします。
自然と人がつくる食文化
美しいリアスの海、緑豊かな山や川など、恵まれた自然環境に囲まれた気仙沼では、海からは魚類、貝類、海藻といった新鮮な魚介類が手に入り、里には米や野菜、山には山菜・キノコ類など大地の恵みが多く実ります。生産者も消費者も自然を敬い、そこからもたらされる四季折々の食材をありがたくいただくことで、豊かな食文化が育まれてきました。気仙沼の家庭で昔から食べられているさまざまな料理から、地域に根付く食の工夫を紹介します。
海から生まれた生業と文化
漁船漁業、養殖業、水産加工業など、自然との共生を大切にしながら発展してきた生業は、港町の歴史や独自の文化形成にも結び付いています。これらの醸成を支えたのは、先人たちの英知やたゆまぬ努力。いつの時代も伝統の中に新しい挑戦や多様性を取り入れながら、さらなる成長を続けてきました。港町の成り立ちや文化、人と自然の関わりを振り返ります。