NPO法人 森は海の恋人 
理事長 畠山 重篤 さん

NPO法人 森は海の恋人
副理事長 畠山 信 さん

人の心を育てる

「森は海の恋人」運動

「自然のつながりを大切にする心と
環境を育てれば、未来はひらける」

信さん

「森は海の恋人」では植樹活動を始めた当初から、子どもたちの体験学習にも力を入れてきました。環境教育の一助となるよう、カキ養殖の体験や浜辺の生物観察など、自然環境と人の生活のつながりを感じてもらっています。子どものうちに自然と触れ合い、驚きや新しい発見を得ることはとても重要です。

養殖しているカキを子どもたちに見せる信さん

こうした環境で育った僕も、小さい頃から生き物が好きでした。高校卒業後は、自然環境保全について学ぶために東京へ。その後働き始めた屋久島で、生き物のおもしろさや自然の重要性を人に伝える仕事の魅力に気付きます。まさに、“環境教育”の分野です。そこで、父と一緒にカキ養殖と環境事業に取り組もうと地元へ戻り、3年が経った2011年3月、気仙沼は津波に襲われます。甚大な被害を受けた舞根地区ですが、新たな恵みも生まれました。地盤沈下によって塩性湿地が出現し、これまで見られなかった多様な生き物が現れるようになったのです。この湿地や流域全体の自然を守るために、今後もさまざまな取り組みを進めていく予定です。

重篤さん

子どもの頃から海の生き物と一緒に生活してきた私は、いつもカキと話をします。カキは、川から流れてきた水を1日にドラム缶1本分も吸い込むわけですから、カキに聞けば、陸側の人間模様が全部わかるのです。そうやって自然と会話をしながら、森と川と海をできるだけ自然に近いカタチに整えることができれば、SDGsを掲げる世界の未来も見えてくると信じています。気仙沼は今後、日本・世界のモデルになるはずです。私たちの活動は、音楽用語で例えるなら「通奏低音」。集団で演奏する時に低音のベースがしっかりしていれば、高音部の美しさが際立ち、全体がうまくまとまります。「森は海の恋人」という活動によって、世界のベースとなる自然のつながりをたくさんの方に理解してもらえたら、きっと未来はひらけていくでしょう。

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